恒例の歴史勉強会は9月11日(木)、福岡市博物館講座室で会員および一般約70名の参加で開催されました。
藤香会 毛屋副会長のあいさつ
博物館学芸員の堀本一繁氏の「軍師黒田官兵衛の生涯」と題する講演では、「軍師官兵衛特別展」に展示されている『圧切(へしきり)長谷部』をはじめ秀吉からの手紙や48歳の時の遺言状、小田原攻めで北条氏から贈られた『日光一文字』、母里太兵衛の名鎗『日本号』などの説明がありました。
講師 福岡市博物館主査・学芸員 堀本一繁氏
『圧切長谷部』は、岐阜城で信長からその才能を見込まれて賜った普通使いの刀で、刀工長谷部国重が得意とした皆焼刃(ひたつらば)の名品で、唯一の国宝です。
秀吉直筆の手紙には、官兵衛は弟(秀長)同然であると書かれ、人たらしと言われた秀吉の面目躍如たる手紙です。また宛名がひらがなで書かれ、官兵衛が“かんひやうえ”と呼ばれていたことが分かります。
遺言状は、朝鮮の役での一件で秀吉の怒りを買い、死を覚悟して書かれたものであるが、後に貝原益軒が黒田家譜を著す時、官兵衛に秀吉の叱責を受けたことなど都合の悪い事柄を故意に落として、恰も黒田家の家訓のように記述されています。
『日光一文字』の説明では小田原に籠城を続ける北条氏に対して、降伏・開城を勧め、北条氏政ら4名の切腹のみで降伏を認め、北条氏直は助けられました。その恩に対して北条早雲伝来の『日光一文字』ほかの家宝を贈りました。
名鎗『日本号』はその長さが群を抜いており、また普段は見れない裏側に傷が付いており、実戦で使われたことを示しています。
これらの話を聞いたうえで、参加者は開催中の「軍師官兵衛特別展」を観覧しました
熱心に聞き入る参加者