10月15日、藤香会恒例の史跡めぐりが47名の会員が参加して行われました。太宰府天満宮本殿での正式参拝の後、宝物殿で開催中の「明治維新150年 太宰府幕末展」を歴史研究家・谷川佳枝子先生の講話を聞いて予習した後、見学・観賞いたしました。ここでも先生が展示物の説明をされて、会員誰もがよく理解したことでした。
文久3年8月18日の政変で京都を追われた尊王攘夷派の公卿7名のうち5名が滞在した延寿王院(西高辻宮司私邸)を西高辻宮司の案内で見学させていただきました。普段は門外から眺めるだけでしたが、この日は格別の計らいで三条実美卿の滞在していた部屋や訪問・面会のために来た西郷吉之助、木戸孝允、野村望東尼等が控えた部屋を宮司から説明を受けました。
豪勢なお昼を摂った後、松屋(当時は薩摩藩の常宿)の2階を見学して、滞在した西郷吉之助、月照や平野國臣等、大久保一蔵の手紙にも触れることができました。
尊王攘夷派の五卿をはじめ維新の志士たちが活躍した太宰府は、薩長同盟のさきがけとなった所で、維新胎動の地ということができるという説明も納得のゆくものでした。
帰路は、観世音寺・戒壇院に立ち寄り、国宝の梵鐘や観世音寺宝蔵の重要文化財の仏像などを田中崇和理事の説明で見学しました。観世音寺の梵鐘は菅原道真の詩にも「都府楼纔看瓦色 観音寺唯聴鐘聲」と詠われています。
説明された田中理事は若いころ戒壇院に預けられていた由。