コロナ禍で延期されていた講演会が10月15日(金)午後1時30分より福岡市博物館でおよそ80名の参加を得て開催されました。
会場の椅子は1つおきに×マークがされており、聴衆者間の間隔が取られています。
山崎拓会長から挨拶と講師の久保千春中村学園大学長(元九州大学総長)の紹介があり、久保千春先生の講演が始まりました。
先ず九州大学の沿革について、慶應3年に黒田藩が藩校として西洋医学の医学校・賛生館を創設したこと、明治12年に福岡県立医学校と改称され、その後明治36年に京都帝国大学福岡医学校となったこと、明治44年になって九州帝国大学医科大学となったことなどの説明があった。黒田藩とは賛生館の関わりのほか黒田奨学会からも医学生が給費を受けて勉学に励んだことなどの説明もされた。
本題では、現代日本の現状を説明され、その中で人々が心理的にも身体的にも多くのストレスを受けている。それが日常生活習慣の乱れを起こし、やがては身体疾患、心身症、不安症、精神病的反応、行動異常などを引き起こしている。
これらのストレスに対応するために、こころへの気づき(意識・無意識の不安を見つけること)、身体への気づき(四肢の重温感、マインドフルネス、呼吸法など)が大事で、それらに対応する身体的ケアでは十分な休養、睡眠、運動、栄養を摂ること、心理的ケアとして不安への対処、相談相手を持つ、信頼できる情報を入手や心の持ち方(人生観、価値観など)を変えてゆくことが必要と説かれた。
また食事はマウスの実験により、低カロリーの炭水化物の摂取が長寿になるそうである。