11月3日の文化の日、福岡市博物館で恒例の文化講演会が開催されました。
初代藩主長政公の400回遠忌の今年は、博物館の学芸員・髙山英朗先生による「長政の筑前入国」と題しての講演でした。
藤香会会員55名、一般の参加者約50名の100名を超える参加者が熱心に講演に聞き入っていました。
山崎会長の挨拶、吉田理事の講師の紹介に続いて髙山先生の講演が始まりました。
長政というと、合戦で勇猛果敢に先陣を切って戦功をあげるイメージがあるが、それは一面では家臣の助けを必要とする戦いぶりであったということを、文禄の役(朝鮮出兵)での平安道嘉山の戦い、関ヶ原に先立つ合渡川合戦における戦いのエピソードを「新訂黒田家譜」から引用して説明された。
黒田家伝統である調略についても、福島正則、吉川広家・毛利輝元、小早川秀秋に対して相手の意見を聞きながら東軍(家康方)に味方するか、または中立を保つように書状のやり取りを行なった。それらが功を奏して関ヶ原は東軍の勝利となった。
この結果、所領の分配では長政は四国を望んだが、家康の意向で筑前を拝領することになった由。このことは長政が死去する直前(8月2日)に書かれた「遺言覚」によっても明らかである。
髙山先生の歯切れの良い1時間半の講演もあっという間に終了した。来年も引き続き、長政の筑前入国以降の話を楽しみにして散会した。