黒田家文書「朝鮮人来聘記」が世界記憶遺産に向けての暫定リストに登録

2015年05月30日(土)

黒田家14代当主黒田長禮様より福岡県に寄贈された黒田家文書のうち「朝鮮人来聘記」15点(11回目の通信使の時の記録)が、日韓の団体が進めている朝鮮通信使を世界記憶遺産にするための暫定リストに登録されました。

朝鮮通信使は1607~1811年の計12回、朝鮮王朝が幕府に派遣し、そのうち11回は福岡県の相島を訪れました。福岡藩は家老初め大勢の武士や儒学者が応接に当たり、情報の交換、学術の交流を行ったことで知られています。

貝原益軒は相島で天和2年(1682)通信使来朝時に李林学士鵬溟と漢詩の唱和や朝鮮儒学界への質問を、また生涯を通じて朝鮮漂流民との筆談による取り調べと保護を行っています。

対馬の儒学者雨森芳州は、藩主に対する意見書である「交隣提醒」に簡潔明瞭に記し、両国の外交に携わる人々にはこの精神を持つ必要性を説きました。その「交隣提醒」には「朝鮮交接の儀は第一に人情時勢を知り候事、肝要に候」から終末は、「誠信と申し候は実意と申す事にて、互いに欺かず、争わず、真実を以って交わり候を誠信と申し候」と書かれています。

江戸時代に朝鮮通信使によっておよそ260年間にわたって平和な隣国関係が続いたことが今回のユネスコ世界記憶遺産に登録しようという契機になったものです。

順調に行けば、2017年にはユネスコの世界記憶遺産になる予定です。

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