藤香会の沿革(略記)
報古会時代【明治24(1891)年~昭和22(1891)年】
廃藩置県の後、旧福岡藩主黒田家が東京に居を移され、旧藩士も城下から離散し黒田家中の多くは墳墓の地・福岡とも次第に縁が薄くなりつつありました。
そもそも福岡の文化の繁栄の礎は黒田家歴代の並々ならぬご努力によって築いて来られたものであり、そのご功績に対しては、旧藩士の連携を密にし、いささかでも報いなければならぬ、というのが明治24(1891)年の「報古会」結成に主意で会ったと伝えられています。そして、その初代の報古会会長に就任したのが、報古会結成運動の中心にあった初代福岡市長の山中立木氏でありました。
参加者は、当初3,000人(維新当時の藩士は約6,000人)に及びました。発足後の報古会は山中会長を中心の副会長、役員、会員協力のもと毎年、黒田家のご遺徳を顕彰する多くの行事を行ってきました。
昭和に入り国際情勢が緊迫し、さらに日本の運命を変えた大東亜戦争(第二次世界大戦)の激化により、報古会の活動も一時中断の止む無きに至りました。
昭和20(1945)年6月19日、米軍の福岡大空襲により市内の大半は焦土と化し、報古会の記録、写真などの貴重な資料の大部分を焼失しました。
昭和20(1945)年8月、終戦となりましたが、惨憺たる国土と日本国民にとり、いまだかつてない悲惨な状況の中、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍ぶという明治維新以来の大変革期となりました。なかでも連合国による日本占領政策は、これまでのわが国の社会のしくみや諸制度を大きく変えることになりました。
現在、確認されている報古会の歴代会長は次のとおりです。
歴代 |
職位・爵位 |
会長 |
初代 |
福岡市長 |
山中 立木 |
2代 |
旧秋月藩主家・子爵 |
黒田 長敬 |
3・4代 |
旧直方藩主家・男爵 |
黒田 長和 |
5・6代 |
福岡市長 |
佐藤 平太 |
8・9・12・13代 |
福岡市長
男爵 |
久世 康夫
明石 東次郎 |
藤香会時代【昭和22(1947)年4月、報古会の名称変更】
戦後、日本はこれまでに経験したことのない民主主義という体制の変化のなかで混乱していましたが、昭和22年に至り秋月在住の旧秋月藩主黒田家の黒田長敬氏を中心に、旧藩士の子孫数名が相寄り、休止していた報古会を「藤香会」と改称し、民主的な新しい活動が開始されることになりました。
その後、黒田藩ゆかりの方々を軸に福岡市に永く住居されている知名士の方も加え、如水公・長政公のご法要をはじめ、貴重な歴史遺産の保存継承の活動を活発に行なってきました。
名誉総裁・名誉顧問 |
会長 |
副会長 |
黒田家14代当主黒田長禮(名誉総裁) |
旧子爵 黒田長敬 |
山中俊吉 |
福岡市長 小西春雄 |
高木一雄・長浜精一 |
福岡市長 奥村茂雄 |
脇山惟・中村直照 |
証券取引所理事長吉次鹿蔵 |
時枝季夫・深見平次郎 |
福岡市長 阿部源蔵 |
塚本赳夫・山内勝也 |
福岡市長 進藤一馬 |
山内勝也・野村祐基 |
名誉顧問 |
会長 |
副会長 |
黒田家15代当主 黒田長久16代当主 黒田長髙 |
福岡市長 桑原敬一 |
中島敏行 |
福岡市長 山崎広太郎 |
中島敏行 |
衆議院議員 山崎拓 |
中島敏行 |
元衆議院議員 山崎拓 |
毛屋嘉明 |
藤香会のあゆみ
昭和22(1947)年
- 報古会の重鎮、旧子爵・黒田長敬(当時秋月在住)・山中駿吉氏(初代会長山中立木氏長男・黒田家参与)・藤村源路氏・野方健介氏(山中氏の後の参与)・高木一雄氏・長浜精一氏・脇山惟氏・中村直照氏・時枝季夫氏・深見平次郎氏・塚本赳夫氏・山内勝也氏・野村祐基氏等が相寄り、相計って「報古会」を「藤香会」と改称し、戦後の新しい出発を誓う。
昭和41(1966)年
- 吉次鹿蔵会長を中心とし、旧藩士および福博の知名士から多額の寄付を仰ぎ、戦災で消失して仮神殿のままとなっていた光雲神社を復興する。
昭和46(1971)年
- 藤香会創立80年記念式典を盛大に開催し、記念事業として「藤香会沿革(略記)」を作成する。
平成7(1995)年
平成8(1996)年
- 崇福寺、黒田家墓所が福岡市指定文化財となる。墓所面積4,234㎡(約1,300坪)。
平成9(1997)年
- 黒田家発祥の地・滋賀県長浜市木之本町において、初の「黒田都市サミット」が開催され、木之本町・長船町・姫路市・中津市・福岡市の各首長および関係有志が相集う。
平成11(1999)年
- 崇福寺、黒田家墓所への参詣者の利便を図るため福岡市の援助により、墓所の石塀の一部を開き墓所への潜り門を設ける。黒田家第15代当主・藤香会名誉顧問・黒田長久氏により「藤水門」と命名さる。
平成15(2003)年
- 3月20日、「黒田家始祖・黒田如水公400年遠忌大祭ご法要」を崇福寺で営む。
- また、福岡城築城400年を記念し「400年実行委員会」主催による第2回黒田都市サミットを新築の福岡国際会議場で開催。関係5都市から参加があり、シンポジウム、講演、講談など盛大な行事を実施する。
平成17(2005)年
- 如水公、ご命日法要の日の3月20日、福岡西方沖地震が発生。黒田家墓所も大被害を受ける。燈篭・石塔多数、市道に沿う。墓所の石塀180メートルが全倒壊。
- 5月、崇福寺が放火による火災で建物の一部を焼失。
平成18(2006)年
- 3月20日、如水公ご法要の日に合わせ、「黒田家墓所復旧工事完成記念式」を盛大に挙行する。記念式にあわせて、懸案の「墓所清掃用水道設備」工事が完成。
- 「墓所復旧整備奉賛者芳名板」および「墓所案内板」を設置。
- 会員への情報紙として、年2回発行の「藤香会だより」を創刊。
平成19(2007)年
- 光雲神社西公園鎮座100年祭。記念事業として社殿など改築。
- 福岡藩第3代藩主・黒田光之公の中野焼窯開窯を記念し、「小石原中野焼窯325年祭」が現地においてさい開催される。
平成20(2008)年
- 3月16日、崇福寺、黒田家墓所草刈り清掃を、はじめて市民ボランティアを募って実施する。
- 3月20日、如水公ご法要に播磨・中津両黒田武士顕彰会からも多数参加あり。呼びかけによりはじめて一般市民の参詣あり。
- 8月3日、第3回黒田サミットが姫路市市民会館で開催される。関係5都市の行政首脳によるパネルディスカッション、講演、アトラクション等が行なわれる。NHKへ黒田官兵衛(如水)の大河ドラマ放映化を強くアピールする。
- 9月12日~11月3日、福岡市博物館において、黒田長政生誕440年記念展<黒田長政と二十四騎>開催。福岡城築城400年を記念して「藤香会の沿革(略記)」を作成。
- 11月1日、福岡市教育委員会主催、福岡城跡「下の橋大手門復元竣工式」開催。
平成21(2009)年
- 2月26日、黒田家第15代当主・黒田長久様ご逝去。92歳。
- 9月16日、<<黒田官兵衛を大河ドラマに!>>姫路キャンペーン隊が来福。福岡市役所にて歓迎会。
平成22(2010)年
- 10月3日、崇福寺、岩月海洞老師普山式。
- 10月12日、「藤香会創設120周年記念碑」除幕式。併せて沿革誌発行。
平成23(2011)年
- 3月11日、東日本大震災(東北地方)、福島原発事故発生。
平成24(2012)年
- 6月、藤香会事務所開設、ホームページを立ち上げる。
- 10月11日、NHK大河ドラマに「軍師官兵衛」の放映が決定。
- 11月25日、岡山県瀬戸内市で第4回黒田都市サミット開催。
平成25(2013)年
- 1月より藤水門を毎日、午前9:00~午後5:00まで解錠し一般市民の方々の黒田家墓所への参詣に開放する。あわせて参詣者ポストを開設し広くご意見と感想を求める。全国各地より、連日、参詣者が訪れ、多くの感想が寄せられる。
- 4月9日、福岡県、福岡市、福岡商工会議所が「黒田官兵衛」福岡プロジェクト協議会を設立し、16代当主・黒田長髙氏、山崎拓会長が顧問に就任。
- 5月、「黒田官兵衛」どんたく隊結成、16代当主・黒田長髙氏が騎馬武者、官兵衛の装束でパレードに参加。
- 6月、大河ドラマ配役決定、主役・官兵衛役に岡田准一氏。
平成26(2014)年
- 3月20日、如水公411年忌法要(キリスト教式及び仏式で実施)ならびにNHK大河ドラマ放映記念イベントを実施。
- 4月1日、黒田家墓所(4,234㎡)が黒田家より福岡市へ無償で寄贈される。
令和2(2020)年
令和4(2022)年
・4月3日、4日 「長政公400年忌報恩供養祭」が崇福寺で京都・龍光院の主催で執り行われる
・10月29日 長政公400回遠忌法要が崇福寺で執り行われる。姫路黒田武士顕彰会、中津黒田武士顕彰会、旧秋月藩関係者、旧東蓮寺藩関係者も参詣される。
令和5(2023)年
・3月、小冊子「筑前福岡藩の歴史」を発刊
・3月25日、本会主催の「福博文化芸能の集い」を福岡城址で開催(福岡城さくら祭り」に合わせて。小冊子「筑前福岡藩の歴史」を一般市民の方に配布(1500部)
・3月26日、「福岡城さくら祭り」の黒田25騎武者行列に藤香会も参加
令和6(2024)年
・5月26日 令和6年度総会開催
藤香会役員(令和5年5月現在)
名誉顧問 |
黒田長髙 |
会長 |
山崎拓 |
顧問 |
|
副会長 |
毛屋嘉明 |
事務局 |
田島満行(局長)、松尾等 |
総務 |
西田経敏、栗山順子 |
研修 |
田中崇和、吉田征則 |
広報 |
天本孝久、中村照久 |
会計 |
郡基博、秦紀子 |
監事 |
田中雅美、馬頭徹夫 |
理事 |
森純子、岳康宏、徳永良子、村山由美、因幡敏幸、関賢二 |
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