黒田家文書、ユネスコ「世界の記憶」に登録

2017年10月31日(火)

黒田家第14代当主長禮様から福岡県に寄贈された黒田家文書のうち、宝暦13年、14年(1763、1764)の第11回通信使の接遇を記録した「朝鮮人来聘記」11冊と「朝鮮人帰国記」4冊の計15冊をはじめとする日韓の「朝鮮通信使に関する記録」333点が10月30日(日本時間31日)に登録された。日本の「朝鮮通信使縁地連絡協議会」と韓国釜山市の「釜山文化財団」とが共同でユネスコに昨年3月に登録申請していたもの。

朝鮮通信使は、江戸時代に12回にわたって朝鮮国王が修好のため日本に派遣した外交使節で、福岡藩は相島(福岡県新宮町)で受け入れ、準備や応接を行った。

通信使一行およそ500名、対馬藩およそ400名を迎え、福岡藩からも数百名が相島に渡った。貝原益軒ら儒学者も出向き、朝鮮側の儒者から朝鮮における李退渓学派の事跡、著述のこと、学校、科挙のことなどを尋ねた。また同行の儒者と詩文を取り交わす唱和をして交流を行った。

福岡県からはもうひとつ豊前小倉の小笠原文書のうち、第12回通信使の時に藩主小笠原忠固が対馬まで上使として出向き国書交換を行った時の記録「對州御下向海陸日記」と「對州御滞留日記 文化八年忠固公朝鮮使接待役」も申請された。「對州御滞留日記 文化八年忠固公朝鮮使接待役」は福岡市の「対馬文書を読む会(原順子氏主宰)」によって平成24年と平成29年に翻刻されている。

西日本新聞10月31日付け朝刊の記事

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