現・藤香会会員の中で、もっとも藤香会のことを知っているといわれた中島敏行顧問が、平成27年12月19日、88歳で長逝されました。
その2か月前の10月20日開催の定例理事会では、いつもと変わらず顧問として、いくつかの助言をいただいたばかりでした。この日の会議の中で、「私は藤香会に半生をかけました」という言葉がありましたが、理事一同、顧問の一途な藤香会への思い入れの強さを改めて実感したことでした。
中島顧問は、本会副会長の重責を勤められた期間だけでも昭和61年から平成23年まで26年間あり、文字どおり藤香会に「半生」をささげられたのでした。
顧問の口癖は、「今の福岡があるのは黒田のお殿様のお蔭」「昔のことを知ってのこそ今のことがわかる。温故知新を忘れてはならない」でありました。
顧問は、個人としてはつねに謙虚な心を大切しておられましたが、同時に「武士は食わねど・・」の潔い気位もお持ちで、藤香会運営の中核として余人に代えがたい師表でありました。
藤香会の歩みのなかで、中島顧問の功績は枚挙に遑(いとま)はありませんが、在りし日の氏の高潔な志のこもった言葉を思い出すことが、故人に対する何よりの追悼ではないでしょうか。
(理事・平田善積記)