福岡市博物館で令和7年度の文化講演会が開催され、約200名が拝聴いたしました。


講師は福岡商工会議所の谷川浩道会頭で「福岡城天守の復元的整備を考える懇談会の報告と提言」という題での、1時間半に亘る講演でした。

講師は、福岡城に天守があったかなかったかという議論には既に決着が付いていると、今から10年前の平成27年に丸山雍成九大名誉教授が発表された論文に、一切の反論がないことで、天守閣はあってその後破却されたのが今や通説となったと述べられた。
途中、九州産業大学の佐藤正彦名誉教授のビデオメッセージがあり、建築学の専門家の立場から五層六階地下一階の建物であること、礎石の間に梁を入れて柱を受ければ石垣を損することがないことなどを述べられました。礎石の間に梁を入れた例として熊本城があり、その写真が会場に展示されていました。
また天守閣の復元は市民に誇りを持ってもらい、次世代の人たちとりわけ子供たちに郷土の歴史に思いを馳せてもらって、福岡・博多をよい町にするために取り組んでいるものとも述べられた。
復元に対する大きな垣根としては文化庁の復元に対する基準が明確でなく、設計図がないから許可できないなどと言われるが、設計図のない平城京の建造物が復元できているので、それに準ずるべき、また復元の為の資金についても安易な税金の投入ではなく、ふるさと納税やクラウドファンディングなどの寄付などによるとも話をされた。

































